【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
2019年7月25日の「入院医療等の調査・評価分科会」では、地域包括ケア病棟の状況が取り上げられた。その中で、地域包括ケア病棟での手術実施率は約4分の1であることが明らかにされた=グラフ1=。
ただし、このデータは一般病棟を経由した患者も含まれており、地域包括ケア病棟における手術実施率とは異なる。一般病棟で手術をした後、地域包括ケア病棟に転棟させることが一般的だからだ。なお、18年度診療報酬改定前の議論では、地域包括ケア病棟では輸血等のわずかな手術しか実施されていないというデータが示されていたが=グラフ2、3=、手術・麻酔について出来高算定が可能となったことで、より柔軟な使い方で有効活用する病院が出てきた可能性もある。
今回は、地域包括ケア病棟に入室した17年4月-19年3月の4万3993人の患者データを用い、その実態に迫っていく。
グラフ1 地域包括ケア病棟 手術の実施状況
2019年度第5回入院医療等の調査・評価分科会 資料より
グラフ2 手術の実施状況(入棟前の居場所別)
2017年度第3回入院医療等の調査・評価分科会 資料より
グラフ3 地域包括ケア病棟(病室)における手術の実施状況
2017年度第4回入院医療等の調査・評価分科会 資料より
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