【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■地域の個別事情に寄り添う改定に現実味はあるのか
7月24日の中央社会保険医療協議会総会で、2020年度診療報酬改定に向けた議論(1ラウンド)が総括された。
取りまとめられた資料の冒頭では、1ラウンドの議論の観点として下の2つが示され、秋からの議論では、外来・入院・在宅などの個別テーマに分け、具体的な診療報酬の検討が進むことになる。
(1)患者の疾病構造や受療行動等を意識しつつ、年代別の課題の整理
(2)昨今の医療と関連性の高いテーマについての課題の整理
※中医協総会資料「令和2年度診療報酬改定に向けた議論(1ラウンド)の概要」より引用
20年度改定の特徴を捉えるため、1ラウンドの総括資料をプログラムで処理し、文言の抽出を行った。比較のため、18年度改定の第1ラウンドの総括資料および16年度改定の基本方針も同様の処理を行った。
表1 各資料における頻出単語(上位10項目)とその頻度(「医療」の登場回数を1とした場合の相対的な頻度)
・16年度: 中医協総会(15年12月7日開催)資料「平成28年度診療報酬改定の基本方針」
・18年度: 中医協総会(17年8月9日開催)資料「平成30年度診療報酬改定に向けた議論(第1ラウンド)の概要」
・20年度: 中医協総会(19年7月24日開催)資料「令和2年度診療報酬改定に向けた議論(1ラウンド)の概要」
・表中の色について: 3年度中に上位10位以内に2回以上ランクインした項目に同じ色付け。介護は本文で触れたため例外的に目立つよう灰色に色付け
18年度改定では、「介護」が上位に食い込んでいた。診療報酬・介護報酬の同時改定であったことを反映していたと理解できる。また、16年度改定では「地域」が上位にあった。地域医療構想の推進が鍵になったためだろう。
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次回配信は8月21日5:00の予定です
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