【横浜市立大大学院国際マネジメント研究科 准教授 黒木淳】
先日、参議院選挙が行われた。選挙では、全国の投票率、候補者の得票率など事後に公開されるデータに加えて、候補者の属性や経歴、実績などさまざまなデータが飛び交う。ニュースや新聞での報道や、選挙カーや駅前での候補者による演説などは、それぞれ単発の情報だが、複数の事象や数値が集まることで、データとしての意味を持つことがある。
それらのデータを見た読者、あるいは見ていない読者など、データに関する情報量は人によりさまざまと思われるが、公示されてからの日々の中で、選挙に関するデータを得たことによって、読者の皆さんの行動に何か影響をもたらしただろうか。
組織内・外など意思決定の立場は異なるが、データはさまざまな場面であふれている。今回と次回の2回に分けて、院内でのデータ分析で必要なことについて考えてみたい。
根幹となる院内データの分析は、データを探して加工すること、そこから何かを判断し、意思決定するまでの一連のプロセスの中で行われる。今回はその前半として、「データを探す」ことの重要性について紹介する。
■データを探し、加工するという行為には相応の覚悟が必要
筆者が外部の人から相談を受けた時、必ずと言ってよいほど、「データがどこにあるのか分かりません」「データがどのように作られているのか分かりません」「データをどのように扱ってよいか分かりません」という言葉を聞く。
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