【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■実績指数は2016年度改定のペナルティーから18年度改定でインセンティブに
2016年度の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟入院料で実績指数が一定基準を満たさない場合、1日につき6単位を超える疾患別リハビリテーション料は入院料に包括される制度が導入された。
実績指数の定義式には、分子にFIM利得(運動項目)、分母に在棟日数がある。そのため、より短い在棟日数で、より運動機能を改善することにより、実績指数を高めることができる。
すなわち、より効果的なリハビリテーションの提供が求められるようになり、運動機能が改善した患者を、早期に在宅復帰させることが重要となった。
しかし、1日当たりのリハビリテーションが6単位を超えている病院において、クリアすべき実績指数である27という基準は、決して厳しいハードルではなかった。16年度診療報酬改定の結果検証からも、そのことは明白だった=グラフ1=。
グラフ1 回復期リハビリテーション病棟における実績指数分布
中央社会保険医療協議会17年10月25日資料 ※一定のリハビリ提供実績を有する病棟とは、過去6カ月間に退棟した患者の数が10名以上で、入院患者に対して提供されたリハビリテーション単位数が1日平均6単位以上である病棟。診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(17年度調査)速報値
この結果を踏まえ、18年度診療報酬改定では、入院料が3段階から6段階に細分化されて、実績指数が入院料1・3・5の要件として課せられた。求められる実績指数が入院料1では37、入院料3と5では30と、それぞれに異なるハードルが設定された点も興味深い。グラフ1で見た通り、27はほとんどの病院にとって余裕のある基準であった。そのため、質・効率が一定基準に満たない病棟に対する足切り・ペナルティーの要素が強かったと言える。
一方、18年度診療報酬改定で設定された入院料1の37は、質の高い、効率的なリハビリテーションを提供できている病棟のみを評価するインセンティブ色が濃いものだと理解している。
(残り1643字 / 全2528字)
次回配信は7月3日5:00の予定です
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】