【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■看護必要度IIは避けて通れない道
前回に引き続き、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)について、2020年度診療報酬改定とその先に求められる対応を考える。今回は18年度改定で新しく導入された看護必要度IIの評価について深掘りする。
年代別の議論を意識したチェック事項(前回)
(1)看護必要度の該当患者割合は何で稼いでいるか
(2)看護必要度の項目別の該当状況はどのようになっているか
看護必要度IIの議論を意識したチェック事項(今回)
(3)看護必要度IとIIの乖離はどの程度か
(4)看護必要度IとIIの乖離はどの項目で、なぜ生じているか
(5)救急搬送患者の評価はどの程度、影響しているか
看護必要度IIは、モニタリングおよび処置等を評価したA項目と、手術等の医学的状況を評価したC項目について、従来の看護必要度データ(Hファイル)の代わりに、診療実績データ(EFファイル)を用いて評価を行うものである。看護必要度の日次評価は医療現場において大きな負担となっている。そのため、評価項目の一部をEFファイルで代替できるのであれば、負担軽減に大きく貢献する。とりわけ、在院日数短縮化、病床高回転化により、病棟看護師の業務負担が重くなっている昨今の事情を踏まえると、負担軽減策は極めて優先度の高い取り組みだろう。
表1 看護必要度IからII切り替える主なメリット・デメリット
18年度改定の看護必要度II導入においては、看護必要度IとIIを選択可能としたことから、あくまでも試験的な導入と見ることもできる。しかし、急性期一般入院料2、3を届け出る場合には、看護必要度IIを必須としたことから、将来的には看護必要度IIに一本化することを視野に入れているのではないだろうか。働き方改革など医療現場の負担軽減の重要性に鑑みると、看護必要度IIは避けて通れない道のように思われる。
■看護必要度IとIIの乖離はどの程度か
20年度改定の議論を見つつ、各病院では一度、看護必要度IからIIへの切り替えを検討しておくべきではないだろうか。まず、何はなくとも看護必要度IとIIの該当患者割合の比較だろう。
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次回配信は6月5日5:00の予定です
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