【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
5月を迎え、ついに新元号「令和」時代が始まりました。皆さまは平成にどのような思い出があるでしょうか? 平成元年といえば、私は診療放射線技師として大学病院で働きながら、会社を立ち上げた時期でした。放射線科においては、大病院を中心にPACS・CT・MRIなどの導入が始まりましたが、単純撮影は暗室での現像が主流の時代でした。それから30年が経ち、フラットパネルの普及によりレントゲン・フィルム製造大手のコダックはデジタル化の波に乗れず、2012年に倒産(13年に規模を縮小して再建)するなど、大きな変化が起きました。
日本の医療業界における病院経営は、機器の近代化による普及が進み、医療水準は上がりましたが、人件費の高騰、高額医療機器の維持管理などで高コスト化が進むとともに、度重なる診療報酬の改定により低収入化も進んでいます。平成の終わりを控えた4月26日付の日経新聞の1面で伝えられた、全国の公立病院が大幅な赤字を出しているニュースは、平成時代における医療経営の難しさを象徴するものだったのではないでしょうか。
■医療技術と同様に、病院のあるべき姿も進歩することが必要
さて、令和時代の医療はどのようになるでしょうか? 現在分かっているだけでも、超高齢社会、消費増税、社会保障費の増加が止まらないなど、病院にとっては大きなマイナス要因となる社会情勢が想定されています。
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