2018年10月に厚生労働省が行った「18年度介護従事者処遇状況等調査」の結果、介護職員の平均給与額は17年度調査から1万850円増えて、30万970円となった。政府が「介護従事者の処遇改善」への取り組みを始めた09年度の調査開始から、介護職員の月額平均給与が30万円を超えたのは初めて。【齋藤栄子】
調査は「介護給付費等実態調査」の18年3月審査分の14万3582施設・事業所から無作為に抽出した1万670施設・事業所を対象に実施し、7908施設・事業所から有効回答を得た。調査結果は、10日の社会保障審議会介護給付費分科会の介護事業経営調査委員会で承認されて、同日開催の分科会に提出された。
調査対象事業所は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、訪問介護事業所、通所介護事業所(地域密着型通所介護を含む)、認知症対応型共同生活介護事業所、居宅介護支援事業所。これらの介護職員処遇改善加算の取得状況は、(I)69.3%/17年度調査64.9%、(II)11.6%/13.5%、(III)9.1%/10.7%、(IV)0.4%/1.1%、(V)0.6%/1.0%で、取得の合計は91.1%/91.2%だった。
加算(I)―(V)を取得している施設・事業所における月給・常勤の介護職員で、介護福祉士などの資格の有無にかかわらない全体の平均給与額は、17年9月調査結果の29万120円から1万850円増加して30万970円となり、09年度の調査開始から初めて30万円を超えた。今回の調査で月額平均給与が1万円以上上がった理由について、▽事業者努力▽加算(I)の取得率向上▽18年度の介護報酬プラス改定―が要因ではないかと厚労省はみている。
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