厚生労働省はこのほど、介護現場で生産性向上を目指すためのガイドラインを公表した。施設、居宅、医療系の3つのサービスで、事例集も含むポイントが示されている。
2018年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料を算定する200床未満の病院では、在宅医療や訪問介護、訪問看護を提供している方が有利になるなど、介護現場の改善は、病院関係者にとっても身近な課題となった。この機会にガイドラインに目を通し、業務改善のヒントにしたい。【大戸豊】
介護分野における生産性向上について
ガイドラインは大きく、業務改善の考え方、改善活動の標準的なステップ、事例集の3部構成になっているが、事例集以外はかなり共通している。特に改善活動の標準的なステップは、施設サービスで詳細に説明されており、概要を紹介したい。
そもそも、生産性の向上で何を達成するのか。
イメージとしては、利用者の直接的なケアに充てる時間を増やし、残業時間をなくし、終業予定時間内に「人材育成の時間」を確保するものだ。質の向上と効率化を進め、職場環境の改善や人の定着・確保にもつなげる「好循環」を目指すといえる。
厚生労働省「介護分野における生産性向上について」施設サービス ガイドラインより(以下同様)
では、何から始めればいいのか。
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