【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
2019年3月22日の官報で、19年度のDPC/PDPSの医療機関別係数が告示された。19年度は18年度診療報酬改定で新設された激変緩和係数が考慮されないため、機能評価係数IIで高い評価を受けることがより一層大切になる。
表1-3は、医療機関群ごとに対前年度比で機能評価係数IIが上昇した医療機関で、これらの施設では同じ患者数であっても増収が予想される。もちろん相対評価であり、上がる施設があれば、下がる所もあるため、毎年適切な評価を受けられるかといえば、難しいときもあるだろう。しかし、評価される項目は決まっており、自院の実態が適切に評価される仕組みを構築することは重要である。
今回はDPC対象病院の中で2番目の上昇幅となった飯山赤十字病院(長野県飯山市)の事例を通じ、改めて機能評価係数IIの実態に迫っていく。なお、同院は私が13年からアドバイザーを務める284床のケアミックス病院である。
表1 対前年度比で機能評価係数IIが上昇した病院(大学病院本院群)
表2 対前年度比で機能評価係数IIが上昇した病院(DPC特定病院群)
表3 対前年度比で機能評価係数IIが上昇した病院(DPC標準病院群)
飯山赤十字病院の機能評価係数IIについて前年度と比較した=表4=。同院は284床だが、現在の病床は急性期1病棟(60床)、回復期リハビリテーション1病棟、地域包括ケア2病棟、療養1病棟という構成になっている。つまり、DPC対象は1病棟で、増収予想額は約1000万円と金額的にはそれほどでもないと思われるかもしれない。しかし、同じ患者数であっても真水の増収となるため、係数効果は大きいと考えるべきだろう。
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