厚生労働省は3日、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書」を公表した。報告書には、一体的な実施に向け、新たな専門職を配置するための費用の一部を市町村に交付する必要性なども盛り込まれた。厚労省は、年内に開催される社会保障審議会医療保険部会・介護保険部会に報告する。【齋藤栄子】
保健事業と介護予防の一体的な実施は、6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」に健康寿命の延伸策の一つとして盛り込まれた。「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて後期高齢者医療広域連合が行う保健事業のフレイル対策と、介護保険法に基づき市町村が行う介護予防を、「介護・フレイル予防」として一体的に行うことを目指している。この枠組みについて、9月から有識者会議で話し合いを行ってきた。
75歳になり後期高齢者になると、市町村による国民健康保険の保健事業から後期高齢者医療広域連合の保健事業へと制度が変わるため、実施主体が分断される。報告書では、保健事業は「本人の特性や状況に対応した切れ目のない支援」が望ましいが、制度的な背景から支援担当者や事業内容などが大きく変わってしまうことが課題だとしている。
■市町村は支援メニューの創設も
この断絶を解消し、市町村が実施している国民健康保険の保健事業の取り組みと、後期高齢者医療制度の保健事業の取り組みを、効果的に接続させていく必要があるとした。
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