【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q 今年度から主任になりました。それまで、うちの職場は職員同士の仲が良い所だと思っていたのですが、昇進後しばらくしてからというもの、周囲のスタッフたちが私に対してよそよそしくなりました。例えば、スタッフルームで談笑している声が聞こえたのに、私が部屋に入ると急に静かになって避けられている感じがします。「何か嫌われるようなことしたかな?」と考えましたが、思い当たる節がありません。こういうときはどうしたらよいですか?
基本は気にする必要はないです。だけれども、多職種連携のパフォーマンスとアウトカムに影響しかねないならば原因を究明し、対策を立てるようにしてください。
■基本は気にしない。ただし…
多職種連携に明確な弊害が生じていないならば、基本は気にしなくてもよいです。これまで親しい関係だと気になってしょうがないと思いますが、どんなに仲良くてもしょせん他人同士です。なので、急に周囲のスタッフらから距離を取られたからといって、必要以上に気に病むことはないです。あなたに友人を選ぶ自由があるように、相手にもそうした自由があるのですから。
他方、多職種連携に弊害が生じているならば、話は別です。多職種連携とは、患者、家族、医師、看護師、薬剤師、作業療法士などが共通の目標を達成するために、協働的に問題を解決していくアプローチです。多職種連携は、死亡率の減少、医療過誤の減少、治療効果の改善、職業性ストレスの低減などメリットが多く、現代医療に欠かせない方法だからです。
今回のケースの場合、多職種連携の弊害が生じるとすれば、必要なコミュニケーションが取れない可能性があるところです。コミュニケーションの不調は多職種連携のパフォーマンスとアウトカムを劣化させます。なので、よそよそしくされても基本は気にしなくてもよいのですが、必要なコミュニケーションが取れないのであれば対応を考える必要があります。
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