【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q スタッフルームで患者さんやそのご家族の悪口を大きな声で言う部下がいます。例えば、「〇号室の患者は訴えが頻繁でうっとうしい」「あの家族は態度が悪いから面会に来てほしくない」などです。大声過ぎてスタッフルームの外まで声が漏れており、他の患者さんやご家族にも聞こえています。以前、「患者さんとご家族の悪口を言ってはいけない」と注意したら、「私だけが悪いのか! 他の人も言っている!」と逆ギレされました。その時は思わず怒鳴り返しましたが、こういう時にはどうすればよいのですか?
こうしたケースでは、今後、起こり得る問題(=状況)の共有を進めて、問題を生み出す職場環境を整理、改善していきましょう。
■悪口を言っていいかどうかは状況による
悪口とは、他人について悪態をつくことです。例えば、ある患者さんについて「全然言うことを聞かないからイライラする」などと言ったら、それは立派な悪口です。そう考えると、上記のQにあるスタッフの発言は悪口の典型例だと言えます。悪口は言わないに越したことはないですし、決して推奨されるものではありません。倫理的には許されないかもしれませんが、自宅の個室などで個人が特定される情報を漏らさない範囲で言うものであれば、実際的には許容されるかもしれません。
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