【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■機能評価係数IIが病院の経常利益率を左右する時代に
機能評価係数IIの値が、DPC算定病院の経営を左右するようになってきた。理由として、新規DPC算定導入時の経営的な影響を減らすために設定された調整係数から、段階的に機能評価係数IIへ重心を移してきたことが挙げられる。2018年度診療報酬改定で暫定調整係数が廃止され、機能評価係数IIへの移行が完了した。今後病院経営では、機能評価係数IIの向上対策が重要になることは間違いない。
グラフ1 2018年度DPC機能評価係数II施設分布
中央社会保険医療協議会総会(2018年6月20日開催)資料を基に分析
機能評価係数IIはDPC制度の包括点数に乗じる値である。DPC算定病床数が200床のA病院を例に病院経営へのインパクトを考えてみる。年間の入院収入が30億円程度(単価5万円、病床利用率80%程度を想定)であれば、その約半分がDPC包括点数であり、15億円に係数を乗じることとなる。機能評価係数IIの0.1000の違いは、収入1.5億円の違いとなる。これは費用のかからない利益と直結した金額のため、インパクトは非常に大きい。
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次回配信は7月18日5:00の予定です
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