【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q ある医療者は、患者さんの話をロクに聞かず、自分が話したいことばかり話しています。先日も患者さんが「ずっと病院に通っているけど、腰の痛みはなかなか取れないね」と話し始めたら、「そうなんですよ。私も昔、腰を痛めてずっと病院に通っていて、そうしたら…」と、延々と自分の体験を話していました。患者さんはゲンナリした表情で「はぁ」と空返事。自分の話ばかりする医療者にはどう対応したらよいですか?
こういうケースでは悪意を持ってやっていない場合が多く、安直に指摘するとギクシャクしたチームになりがちです。そうした問題を回避しつつ、行動変容を促すために、(1)ユーモアを交えながら気付きを促す(2)共通目標を明示しながら行動変容を促す―などの対策を活用しましょう。
■円滑なコミュニケーションの条件
円滑なコミュニケーションは医療者にとって必須のスキルです。これは、チームワークの促進、事故・過誤の予防、そして治療的信頼関係の構築などに欠かせないからです。
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