【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q 新年度を迎えて新卒職員が職場にやって来ました。毎年思うのですが、うちに来る新人って最初は活気があっても、ひと月もしないうちに、どんどん活気がなくなります。3年以内で辞める人も少なくありません。若い人に「新しい風を吹かせてもらいたい」と思っているのに、すぐに活気を失う新入職員にはがっかりさせられます。最近の若い人は仕事に対する意欲が低いのでしょうか?
そのように考えるから、新卒の新入職員の活気がどんどん減るのです。これは、新人の問題ではなく、あなたを含む職場全体の問題です。職場環境の改善が必要です。職場環境の問題は一朝一夕に改善できるものではないので、少なくとも新入職員が方向性を見失わないように配慮し、(1)目標の明確化(2)意義の明確化-に取り組むとよいでしょう。
■まずは職場環境の問題に気付こう
ひと月もしないうちに新入職員の活気がなくなる場合、新人が来る以前から、職場環境に何らかの問題があると考える必要があります。「若い人の労働意欲が低い」などと考えていると、いつまでたっても「新入職員に新しい風を吹かせてもらう」という目的を達成することはできません。自分たちが長年かけてつくってきた職場環境の問題を、新入職員に押し付けてはいけないのです。
職場環境の問題には、▽人間関係が悪い▽心理的・身体的な仕事の負担が大きい▽組織として機能していない▽労働条件が劣悪である-などさまざまなものがあります。このような問題は、経営者が原因のこともあれば、長年働く人たちが、知らず知らずのうちに習慣的に構築してきたものもありますし、社会情勢によって否応なくそうなってしまったものもあります。それが深刻であればあるほど、活気のある新入職員が来ても、しばらくすると現実の大変さに気付き始めて、活気を失うことになります。
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次回配信は5月11日5:00の予定です
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