【社会医療法人財団董仙会 本部情報部長 山野辺裕二】
本連載の第2回でも遠隔診療について取り上げましたが、2018年度診療報酬改定では、オンライン診療料・オンライン医学管理料が新設されます。ここでオンライン診療とは「情報通信機器を活用した診療(オンラインシステム等の通信技術を用いた診察や医学管理)」とされています。
明らかにされたのは1月下旬でしたが、従来の「遠隔診療」が唐突に「オンライン診療」という名前に変わったことにとてもびっくりしました。その後2月8日に開催された厚生労働省の「情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会」では、今後公式には遠隔診療という用語は使わず、「オンライン診療」に統一することまで決まってしまいました。今回は用語の面から透けて見える諸問題を考えてみたいと思います。
■遠隔診療の歴史と範囲
「遠隔医療」の用語は歴史が古く、1990年代初めには遠隔画像伝送の実用事例があり、96年には当時の厚生省が「遠隔医療に関する研究班」を組織しました。2005年には日本遠隔医療学会も発足し、厚労省は従来の通知で、「情報通信機器を応用し診療の支援に用いる、いわゆる遠隔診療」と表現しています。国際的にも1993年に「telemedicine」の国際学会が初開催され、以来日本語での遠隔医療、英語でのtelemedicineという用語が定着しています。その中で患者に対して行われるものが遠隔診療(telecare)とされてきました。遠隔医療と遠隔診療は混同しやすいので、図にまとめました。
図 遠隔医療の構成と今回の変化部分
(残り2193字 / 全2862字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】