【吉備国際大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 准教授 京極真】
Q 上司からは「もっと効率よく患者を診られるように部下を指導しろ」と言われますが、部下からは「人手が足らないから無理。もっと人を増やすように言ってほしい」と突き上げられます。あちらが立てば、こちらが立たずで、ストレスいっぱいです。どうしたらよいですか?
板挟みは「目的のズレ」があると考えがちです。共通目標を明確に定めて、異なる意見を方向づけるようにしましょう。
■板挟みが発生する条件を理解しよう!
典型的な板挟みですね。中間管理職の立場に立つと、上司の言い分もそこそこ分かるし、部下が言いたいこともそれなりに分かる。どちらの気持ちも分かるぶん、どうしていいかワカラナクなって、ストレスも倍増しがちです。いつの時代も中間管理職の悩みは尽きないものです。
板挟みの状態から抜けるためには、具体的な対策を考える前に、板挟みが発生する条件を把握しておきましょう。そうした条件が分かれば、板挟みを根底から解消する方略がおのずと明らかになるからです。一見すると遠回りに感じるかもしれませんが、これが実のところ最短の道です。
では、いかなる条件があると、板挟み状態に陥るのでしょうか。
結論から言うと、上司と部下の目的がズレていると、中間管理職は板挟みを体験しやすくなります。目的のズレは、意見や価値観の食い違いに直結します。中間管理職が感じる板挟みは、上司と部下の意見や価値観の衝突に由来しているかのように見えるものです。なので、板挟みに陥ると、とにもかくにも意見や価値観の衝突をどうにかしようとします。
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次回配信は3月9日5:00の予定です
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