循環器疾患の緩和ケアチームを創設する方向性が固まりつつある。厚生労働省の「循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループ」で、医療従事者が相談できるチームの創設に関する議論が進んでいる。厚労省も創設に前向きだ。ただし、がんの緩和ケアチームとは対応が異なる点が少なくないため、専門的な人材の育成が急務となりそうだ。【新井哉】
■専門的な知識持つ看護師や薬剤師が不足
緩和ケアを提供する際、多職種が連携しながら、病院と在宅間で医療従事者が相談できるチーム体制が必要だ。しかし、循環器疾患の専門的な知識を持つ看護師や栄養士、薬剤師などの人材が不足しているといった指摘が出ていた。
特に心不全では、「増悪」と「寛解」を繰り返すため、緩和ケアを行う医療機関については、循環器疾患の急性期医療を提供している病院との連携が求められる。
また、高齢化の進展に伴い、さまざまな合併症を持つ患者が増えてきた。そのため、多職種が連携することに加え、各疾病に対する専門的な判断が求められる時に、相談ができる「コンサルタント体制」が望まれている。
■多職種・地域連携の「考え方」、厚労省が整理
厚労省はワーキンググループの議論を基に、多職種・地域連携の「考え方」を整理した。包括的・継続的な管理や指導を行うためには、「地域のかかりつけ医、看護師等が中心的な役割を担う必要があるのではないか」と指摘。多職種連携に関わる医療従事者の育成についても、学会などが連携して取り組む必要性に言及している。
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