【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■「時間的余裕」を勝ち得た診療側の巧みな誘導?
7対1・10対1を統合した急性期一般入院基本料が新設される。注目の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の要件については、入院料1が30%となった。CBnewsの「【中医協】看護必要度『入院料1』は30%」の記事で詳しく経緯がまとめられている。認知症患者の評価が全国で4-5%の上乗せになることを考えると、診療側が主張した25%は若干無理があったように思う。しかし最初から30%の落としどころを意識した上での主張であったならば、公益裁定に持ち込むことも含め、診療側の想定の範囲内で勝ち得た数値のように思う。
筆者が「勝ち得た」と感じる理由は、以前「看護必要度、認知症の評価アップは病床高回転に水を差す?」で述べた通り、急性期病床で多くのサブアキュート患者を診ている病院では、認知症患者が評価されるインパクトが非常に大きい。おそらく現状7対1を算定している病院で、サブアキュート患者を一定数診ている病院では、看護必要度30%の要件を楽々クリアできるのではないだろうか。
一方、悪性腫瘍などの外科系手術を得意とするような高度急性期病院では、認知症患者の評価による看護必要度の向上はさほど期待できない。そのため、看護必要度30%はやや厳しいものになるだろう。
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次回配信は2月21日5:00の予定です
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