厚生労働省保険局の迫井正深医療課長は19日、日本慢性期医療学会のシンポジウムで、医療保険の療養病棟入院基本料について、将来的に「20対1相当」を標準とすることに「どなたもあまり異論はないと思う」との認識を示した。療養病棟入院基本料のうち、看護配置が25対1の病棟(医療療養2)の取り扱いをめぐる議論の行方に関する質問を受けた発言で、この質問自体への回答では、「(介護医療院の創設に向けた動きと連動しながら)医療保険サイドも対応していくというのが、今の時点でお話しできる精いっぱいの範囲だ」と述べるにとどめた。【兼松昭夫】
迫井課長はその上で、2018年度診療報酬改定での医療療養2の取り扱いについて、「(中央社会保険医療協議会の)“秋の陣”、“冬の陣”を楽しみにしていただいて、今後の議論で最終的な出口に向かっていく」と話した。
シンポジウムには、迫井課長をはじめ、武久洋三・日本慢性期医療協会会長ら計5人が参加した。
武久会長は、療養病床の看護配置を4対1(診療報酬上は20対1)に引き上げた医療法施行規則の改正が「『重症者を受け入れて治療しなさい』という厚労省の叱咤激励だ」との受け止め方を示した。その上で、慢性期の病棟では20対1よりもさらに手厚い看護配置を整備して地域の信頼獲得を目指すべきだと呼び掛けた。
また、「仙台で東京の病院が認められても仕方がない。徳島の病院が北海道で認められても仕方がない」とも述べ、慢性期病院が医療の質を向上させ、地元の信頼を勝ち取る必要性を強く訴えた。
■日慢協副会長、介護医療院への転換推進で3つの提言
同じ日の別のシンポジウムでは、日慢協の清水紘副会長(嵯峨野病院理事長)が、新たな介護保険施設として18年度に創設される介護医療院について、継続的・安定的に運用するための措置の担保などを提言した。
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