【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■診療報酬改定に対する反応が遅い大学病院
2016年度診療報酬改定では、認知症患者への適切な医療を評価する「認知症ケア加算」が新設された。認知症ケア加算は精神病棟を除くほぼすべての病棟で認められており、入院中の認知症患者に多職種チームで介入する重要性が改めて認識され、取り組みが加速しているのではないか。
改定直後の16年6月審査分(≒16年5月診療分)の社会医療診療行為別統計のデータから、認知症ケア加算の算定状況を見ると、認知症ケア加算1が8割弱を占めていた=グラフ1=。認知症ケア加算1の施設基準は、認知症認定看護師などの配置が求められるなど、要件が非常に厳しく、算定件数はさほど多くないことも想定された。しかしグラフ1の結果だけを見れば、認定看護師を擁する病院だからこそ、改定直後から積極的に算定を開始したのかもしれない。
グラフ1 認知症ケア加算算定件数比率(2016年6月審査分)N=67354件
厚生労働省 平成28年社会医療診療行為別統計(平成28年6月審査分)を基に分析
(残り2219字 / 全2677字)
次回配信は11月1日5:00の予定です
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】