中央社会保険医療協議会(中医協)の「入院医療等の調査・評価分科会」が5日に開いた会合で厚生労働省は、療養病棟への入院前の居場所(入棟元)別に患者像を分析した結果を示した。入棟元が「自宅等」(※)の患者には、急性期病棟から転院・転棟した患者と比べ入棟期間が短いといった傾向が見られた。来年春の診療報酬改定では、地域包括ケア病棟の評価が「入棟元」に応じて改められる見通しで、こうした分析結果が療養病棟の評価の見直しにつながる可能性がある。【佐藤貴彦】
※自宅か介護老人保健施設、介護老人福祉施設、居住系介護施設
厚労省の分析は、昨年11-12月に分科会が実施した病院のアンケート調査結果を使ったもの。入棟期間は「入棟元」が「自宅等」の患者41人と、「7対1・10対1」の患者70人のデータで分析した。それによると、「7対1・10対1」の患者では「61-180日」が最も多く、38.6%を占めたのに対し、「自宅等」の患者は「0-14日」の割合(39.0%)が最高で、30日以内の患者が6割程度を占めた=グラフ1=。
入院の理由が「治療のため」の患者の割合は、「自宅等」(913人)だと72.8%で、「7対1・10対1」(2584人)の57.7%と比べ高かった。その一方で、医学的な理由で入院し続ける必要がある患者の割合は、「7対1・10対1」(2598人)の44.3%が「自宅等」(912人)の35.3%を上回った=グラフ2=。
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