【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■貴重な共有財産であるNDBオープンデータ
9月19日、厚生労働省は2回目のナショナルデータベース(NDB)のオープンデータを公表した。
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221.html
CBnews https://www.cbnews.jp/news/entry/20170920130023
NDBオープンデータを公表する意図は、第1回NDBオープンデータ【解説編】の要約にある通り、特に目的を限定せず、広く役立ててもらうというものである。
NDBに蓄積されたデータは国民の共有財産であり、こうした貴重なデータの利活用を進めるべく、(中略)誰でも自由に利用できるように公表している。(中略)NDBオープンデータが日本の医療ビッグデータを扱った統計資料として、ヘルスケアに関心を有するより多くの国民に役立ててもらうことを期待している。
厚生労働省第1回NDBオープンデータ【解説編】(2016年10月厚生労働省保険局医療介護連携政策課保険システム高度化推進室)http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000141549.pdf より抜粋
■分析トレーニングに最適なNDBオープンデータ
NDBオープンデータのエクセルファイルを用いれば、例えば、人工関節置換術の男女別・年齢階級別の算定回数の分布図を容易に作成できる=グラフ1=。
グラフ1 オープンデータで作成した入院 K082 人工関節置換術(膝)性・年齢別算定回数分布
厚生労働省 第2回NDBオープンデータ(2017年9月19日)資料を基に分析
社会医療診療行為別統計からも、似たような分布図を作成することはできる=グラフ2=。オープンデータは、ある程度算定回数の多い診療行為に限られるが、都道府県別のデータや男女別のデータが集計されている点で非常に利用しやすい。一方、社会医療診療行為別統計は6月審査分のデータが使われており、季節変動のある診療行為には留意する必要があるものの、病院・診療所別のデータ等を得られる。それぞれのデータの特徴を理解し、利用することが望ましい。
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次回は10月18日5:00配信予定です
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