【社会医療法人 製鉄記念八幡病院 経営戦略室副室長 秋吉裕美】
■退院支援マネジメントの必要性
2016年度の診療報酬改定では、退院支援の取り組みがより評価された。診療報酬での評価は、施設基準や算定要件が厳しくなるのと同じであり、急性期病院では体制構築と効率的な仕組みが求められている。
しかし、施設基準を満たせば完了というわけではない。多職種チームの構築、退院支援に関わるスタッフの業務負担への配慮、後方医療機関などとの連携の強化、患者満足度の維持など、退院支援全般に関して、マネジメントしていく必要がある。
■退院支援チームを結成
当院では、新たな施設基準の取得などに伴い「仕組みづくり」が必要な場合、経営戦略室を中心にプロジェクトを推進したり、チーム活動をスタートさせたりする。ただし、新たな取り組みの際は必ず病院長にも参加を依頼し、関係するスタッフにその目的を説明していただく。事務職である私たちから発信するよりも、トップから発信することで、自分たちがなぜ今それをやるのか、その使命は何かが直接伝わり、スタッフの共通理解と価値共有が進む。
退院支援加算1の取得は、16年度改定でいわゆる“短冊”が出された時点で、退院支援チーム立ち上げに向けた企画書と加算取得による収益試算を経営幹部に提示し、病院長も参加して、昨年3月1日にチームを結成し、体制構築に着手した。
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