【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■地域医療介護総合確保基金、5つの事業の重要性
8月10日、2017年度の地域医療介護総合確保基金の医療分に関する各都道府県の金額が内示された。91.9億円の東京都を筆頭に、6.9億円の滋賀県まで、47都道府県合計で903.7億円の規模となっている(当金額は基金規模。内示額(国費)は基金規模の3分の2)。
この地域医療介護総合確保基金は、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」(総合確保方針)で示されている通り、少子高齢化が急速に進み、団塊の世代がすべて75歳以上となる25年に向け、地域で人生の最期を迎えることができる環境、すなわち医療と介護の切れ目のない提供体制をスムーズに確保・構築していくことを目的としている。
図 地域医療介護総合確保基金の申請と交付の関係図
厚生労働省資料「地域医療介護総合確保基金の概要」より
地域医療介護総合確保基金は次の5つの事業を対象としている。
地域医療介護総合確保基金の対象事業
1.地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業
2.居宅等における医療の提供に関する事業
3.介護施設等の整備に関する事業(地域密着型サービス等)
4.医療従事者の確保に関する事業
5.介護従事者の確保に関する事業
前回「人員調整を回避するためにも地域包括ケア病棟は有効」の中で述べた通り、ワイングラス型から砲弾型への移行を促すために、これらの5つは重要な事業である。
■基金の分配は高齢者人口に比例か
この基金は東京が最も多いことからも、ある程度人口と関係があることが推察される。そこで、基金開始初年度である14年度の内示額(医療分)で、直近の人口との関係を確認した=グラフ1=。
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次回配信は9月6日5:00を予定しています
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