【日本遠隔医療学会常務理事 長谷川高志】
■主流はD to D、現場の医療者の能力を高める
遠隔医療の原理や適した形態とは、どのようなものだろうか。医師が在宅の患者を診療するといったD to P(Doctor to Patient)は、最もイメージしやすいが、現時点では遠隔医療の主流ではない。
主流は意外にもD to D(Doctor to Doctor)で、実施件数も多い。この形での遠隔医療は、放射線画像診断をはじめ、救急医療の現場や集中治療室などへの指導、術中病理診断、眼科診療などさまざまな診療科で実施されている。在宅医療では、D to N to P(Doctor to Nurse to Patient)が有望で、離れた場所にいる医師の指示を受け、看護師が患者を直接支援する方法が、医療者と患者の双方が安心できる方法ではないか。
心臓ペースメーカーなどは遠隔でのモニタリングが普及しており、D to N to Pの一種として、臨床検査技師や看護師がモニタリングを担当することが望まれる。今後は、睡眠時無呼吸症候群への経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)や高血圧などにも、モニタリングによる遠隔医療が広がるだろう。
さまざまな提供形態の概観を図に示す。
図 遠隔医療の提供形態
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