【済生会吹田病院地域医療センター係長 田中護】
この連載の初回にも触れたが、済生会吹田病院の連携活動は、地域の中では“後発組”であった。しかし、「出遅れを気にせず、理屈抜きでやってみる」の精神で、二次医療圏で最初の地域医療支援病院の承認を得るなど“半歩先”を見据えた連携活動を行っている。
当院の診療圏は、大阪府下でも有数の“急性期病院激戦区”だ。3年前に新たに病院ができ、今後も特定機能病院を含む2つの急性期病院の新築移転の計画がある。しかし、時代の要請は、“競争から協調”であり、病院同士の連携も重要さが増している。同時に、病院も地域包括ケアシステムにおける役割・機能をしっかり果たしていかなければならない。今回はこれまでの連携活動の取り組みと今後の方向性について述べたい。
■紹介元の開業医と患者の満足度を高める
当院の紹介率・逆紹介率は上昇傾向にある=グラフ=。これら2つの指標は地域医療支援病院ではクリアが必須の承認要件であり、当院でも向上に努めてきた。しかし、本来追うべきは紹介率や逆紹介率よりも紹介元の開業医や患者さんの満足度であり、現状の課題を抽出し、いかに解決すべきかが重要となる。
(残り2128字 / 全2671字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】