厚生労働省は30日、「医療計画の見直し等に関する検討会」の会合で、在宅療養などを支える医療・介護サービスの提供体制を拡充させるため、都道府県や市町村が将来のニーズを推計し、それに合った体制の整備目標を立てるための方法を提案した。目標は都道府県の医療計画に既に盛り込まれているが、根拠に乏しいケースが少なくないという。このため同省は、在宅医療の患者数の伸び率に合わせて提供施設を増やすといった目標を来年4月からの次期計画で設けさせる方針だ。【佐藤貴彦】
1カ月の間に訪問診療を受ける患者数は現在65万人程度だが、人口ボリュームが大きい団塊世代がすべて75歳以上になる2025年には100万人近くに増えると見込まれる。
また都道府県の「地域医療構想」では、医療の必要度が低い患者の一部が入院しなくなると想定して25年時点の必要病床数を推計している。同年に入院以外での対応が必要になる患者のニーズは、一日当たりの入院患者数に換算すると約30万人分に相当する。
■介護医療院への転換、自治体が意向調査
同省の案では、このうち約10万人分に相当するニーズ(一般病床に入院していた患者の分)を外来医療で支えると想定し、その分は在宅医療のサービスの提供を増やさない。一方、約20万人分のニーズ(療養病床に入院していた患者の分)は、来年4月に新設される介護サービスの「介護医療院」で対応する分や、そのほかの介護サービスだけで対応する分、在宅医療で対応する分などに振り分ける。
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