【株式会社医療経営研究所 伝え方コンサルタント 佐藤健太】
皆さん、こんにちは!
伝え方コンサルタントの佐藤健太です。病院の事務職員の「プレゼンテーション力の強化」をテーマにお届けしているこの連載、今回は「伝わるプレゼンテーション~その1」と題して、プレゼンテーションにおける非言語コミュニケーションの重要性について説明していきます。
院内、院外を問わず、皆さんもこれまで、誰かのプレゼンを聞く機会が何度もあったと思います。その中で、すごく引き込まれるプレゼンターもいれば、内容が全く頭に入らず、眠くなってしまうプレゼンターもいたのではないでしょうか。
では、その違いはどこにあるのでしょう。話そのものがつまらないからという理由もあるのですが、実はそれだけではありません。プレゼンの成否には、話す内容や順番だけでなく、非言語の要素も大きくかかわっているのです。非言語コミュニケーションをうまくできるプレゼンターは、聴衆の関心を引き付けます。今回は、そんな非言語コミュニケーションの使い方に関するお話です。
■ 院内の会議で初のプレゼン
きょうは月1回、院内で開催される経営会議の日。経営企画室の佐々木さんは、病院の先月の収支状況を報告することになりました。いつもプレゼンを担当する上司の高橋室長に急用が入り、代役を頼まれたのです。
初めてプレゼンをすることになった佐々木さんは、事前に高橋室長にアドバイスを求めました。すると高橋室長は、「資料を見ながら話すのではなく、院長や副院長、事務長など、会議に参加している人にできる限り視線を向けて話しなさい」と教えてくれました。佐々木さんは、前日までに何度も練習を繰り返し、会議当日を迎えます。
そしていざ本番。高橋室長のアドバイス通り、佐々木さんは院長や副院長など、会議の参加者に視線を送りながらプレゼンを進めました。
会議終了後、事務長がそばに寄って来てこう言いました。
「佐々木くん、堂々としていて、とても素晴らしいプレゼンだったよ。皆も真剣に話に耳を傾けていたようだ。次回も頼むね!」
■ 伝わる視線の送り方
視線をどのように送るか―。実は、これはプレゼンの成否を大きく左右する要素の一つです。テレビのニュースキャスターは、原稿を読んで伝えるのが仕事ですが、画面の向こうにいる視聴者一人ひとりに視線を送っているかのように話をします。それはなぜか。視線が下を向くと、伝わるものも伝わらないからです。
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次回配信は7月4日5:00を予定しています
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