【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■急性期病棟における医療資源投入量の少ない患者像
連載第21回「低入院単価3パターンに見る看護必要度対策」では、入院単価の低い患者を次の3パターンに分け、それぞれの患者の特徴と、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の厳格化を想定した対策について述べた。
●入院単価が低く、看護必要度の基準を満たしていない患者
・入院初期もしくは途中で看護必要度を満たしていた患者(1)
・入院を通じて、看護必要度を満たしていない患者(2)
●入院単価は低いものの看護必要度の基準を満たしている患者(3)
このうち(3)については、高齢な患者ほど「入院単価は低いものの看護必要度の基準を満たしている」割合が高くなっていた。また、代表的な疾患として、脳梗塞や誤嚥性肺炎等が挙がった=表=。
表 低入院単価(2万5000円未満)かつ高齢(80歳以上)で看護必要度該当割合が25%以上の疾患のうち、延べ在院日数の多い疾患
■地域医療構想における機能分化のターゲットか
地域医療構想において、現状の医療提供内容と将来医療需要について、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4区分で分類する時、医療資源投入量は中核をなす要件である。今後、地域の実情に応じ、さらなる機能分化が進められるだろうが、多くの地域で「急性期は過剰、回復期は不足」と指摘されている。このことは、病床機能報告では「急性期」を選択した病棟でも、医療資源投入量で見た場合、「回復期」や「慢性期」に該当する患者が少なからずいることを意味しているだろう。
例えば、病床機能報告では、全病棟を「急性期」として報告したA病院では、整形外科や内科病棟を中心に、回復期や慢性期に該当する患者が少なくない=グラフ1=。
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次回配信は6月7日5:00の予定です
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