厚生労働省は17日、社会保障審議会医療保険部会の会合で、後発医薬品がある長期収載品を使いたいと希望した患者から、後発品との差額分を選定療養の仕組みで徴収する案を示した。政府の財政健全化に向けた計画の工程表を踏まえたもので、長期収載品の薬価を引き下げ、後発品並みにする案と併せて提示。委員からは、どちらの案にも慎重な検討を求める声が相次いだ。【佐藤貴彦】
政府の工程表では、後発品と長期収載品との価格差について、保険制度上の負担の在り方を関係審議会などで検討、今年の年央を目途に結論を出すこととしている。
後発品は、先発品の販売などに関する特許が切れた後、同じ有効成分を同量含む別の薬として開発される。通常、新薬が保険制度で使えるようになるまでには、安全性や有効性を検証するための臨床試験が必要で、数百億円の開発経費が掛かる。一方、後発品は既に成分の有効性や安全性が確認されているので、一般的な開発コストは1億円程度だといわれている。
その分、保険制度上の公定価格(薬価)は低く、現行のルールでは、新規収載時の薬価は先発品の半額が基本だ。医療費を効率化できることから、政府は後発品の使用を推進。今年の年央までに、その数量シェアを7割以上まで引き上げる目標を掲げている。
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