【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■7対1入院基本料の単価が高いことは周知の事実
先月の中央社会保険医療協議会(中医協)総会では、入院基本料区分別の1日当たり平均レセプト請求点数のグラフが示された=グラフ1=。7対1入院基本料は平均5215点、10対1は3748点となっている。
グラフ1 入院基本料区分別1日当たり平均レセプト請求点数(入院単価)
厚生労働省中医協総会(2017年3月15日)入院医療(その2)から引用
医療経済実態調査のデータを基に入院基本料ごとの単価を推計してみた=グラフ2=。病床利用率に仮定を置いた推計値ではあるが、グラフ1の結果とよく似ている。
グラフ2 一般病棟入院基本料看護配置別入院1日当たり平均単価(病床利用率を78%と仮定した推計値)
厚生労働省第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-平成27年実施-を基に作成
このように、入院基本料によって入院単価に大きな差異があることは、医療関係者にとって周知の事実であり、このデータ自体に疑問は感じない。しかしながら、このタイミングで、このような資料が中医協で示された意味に留意すべきであろう。
■7対1の診療内容の特異性から「看護配置の必要性」は絶対的なものか
グラフ1と併せて提示された中医協の資料では、7対1入院基本料を算定している病院とそれ以外の病院の違いとして、7対1は悪性腫瘍の比率が高く、7対1以外では損傷・中毒等が多いという疾患構成の違いと、7対1は75歳以上の比率が低いという年齢構成の違いを挙げていた。
さらに、データ提出加算を算定する病院のデータも含めたDPC公開データを基に違いを調査したところ、7対1は、手術あり、化学療法あり、放射線療法ありの比率が高い=グラフ3=、予定入院の比率が高い、予定外入院の比率が低い=グラフ4=といった特徴が見られた。
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次回配信は5月10日5:00を予定しています
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