「DPC評価分科会」(分科会長=小山信彌・東邦大特任教授)は31日に会合を開き、来年春の診療報酬改定に向けて「医療機関別係数」に関する議論を深めた。この中で、DPC対象病院を3つの病院群に分ける枠組みを維持する方向で委員の意見は一致した。また、厚生労働省が、病院群のうち「II群」になるための要件を満たす病院が、あえて「III群」を選べるようにする仕組みの案を示したが、複数の委員が選択制の導入に慎重な姿勢を示した。【佐藤貴彦】
DPC評価分科会は、診療報酬上の技術的な課題について、専門的な調査と検討を行う診療報酬調査専門組織の一つ。急性期の入院医療を包括評価する「DPC制度」に関する検討などを担当している。同分科会の意見を中央社会保険医療協議会が聴取し、来年春の改定に反映させる。
医療機関別係数は、包括評価の報酬に、DPC対象病院ごとの機能や実績を反映させるもの。同係数は、病院が届け出る入院基本料等加算などを反映させる「機能評価係数I」や、診療実績などを反映させる「機能評価係数II」(係数II)、病院の基本的な診療機能を反映させる「基礎係数」などを足し合わせて算出する。
このうち基礎係数は、大学病院本院をI群、診療密度などが一定の基準=表=を上回る病院をII群、それ以外の病院をIII群と分けて、それぞれ設定しているが、III群がDPC対象病院の9割近くを占め、さまざまな特徴を持つ病院が混在することから、細分化を求める声が上がっていた。
31日の会合で厚労省は、来年春の改定後も、3つの病院群に分ける仕組みを維持することを提案。病院の診療密度が、病院群ごとにある程度の範囲内でまとまっているためで、これに反対する委員はいなかった。
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