第12回東京都病院学会がこのほど開かれ、地域医療構想をテーマにシンポジウムが行われた。シンポジストは、高度急性期・急性期、回復期、慢性期、在宅のそれぞれの立場から、地域医療構想を進めていく上での課題を挙げた。医療機関の統合の可能性をはじめ、在宅での急性増悪の対応方法、介護療養病床に代わる施設類型の費用対効果など、さまざまな視点が示された。【大戸豊】
■急性期病院同士の連合や統合起こる可能性も
豊島病院(板橋区)の山口武兼院長は、高度急性期・急性期の立場から、地域医療構想についての持論を展開した。
山口院長は私見と断った上で、現時点で見えてきた地域医療構想の課題として、▽地域医療構想にどう対応するのか▽高度急性期と急性期の区分が不明確▽急性期病院は回復期にシフトできるのか▽急性期病院は地域包括ケア病棟を持つべきかーなどを挙げた。
山口院長は、高度急性期の病院でも、医療資源投入量から見ると、入院から時間が経てば患者は回復期、慢性期の状態になるが、回復期の状態になれば即転院させることは、地域の受け皿の不足を考えると、現実には難しいと述べた。
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