【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2018年度は診療と介護報酬の同時改定が行われ、DPC/PDPSでは暫定調整係数が廃止される。調整係数を含む暫定調整係数はDPC/PDPSの拡大に大きな役割を果たしたが、医療費抑制という環境下で異論があるのも事実だ。次回改定は、今後の医療政策の方向性を占う極めて重要な改定であり、医療機関には適切な対応が求められる。
03年のDPC開始から、診療内容の標準化および情報開示が飛躍的に進んだことは素晴らしいし、医療の質向上にも多大な貢献をした。その点でDPCは我が国の医療において市民権を得たわけだが、現状のDPC/PDPSは複雑で総花的であるとも考えられるため、今後のあり方を問うことは非常に重要である。
18年度改定では、暫定調整係数は機能評価係数IIに置き換えられるが、現行の8項目には、そもそもどのような特徴があり、どうしていくのが望ましいのか、また現状の均等配分だけでなく、重み付けを導入するかも課題だが、今回は、これから本格化する議論の素材を提供したい。
2.各係数の特徴
18年度改定で議論すべき点として、まず重症度係数と後発医薬品係数があげられる。連載でも繰り返し述べてきたが、医療資源投入量が多い病院を補填する重症度係数は不要である。適切に効率的な医療を提供することが重要であり、医療資源投入量を増やすインセンティブにもなる重症度係数は制度全体の方向性とも矛盾する。連載でも「 重症度係数ゼロを目指して 」と題し、千葉大学医学部附属病院の事例を取り上げた。
次回配信は3月6日5:00を予定しています
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