中央社会保険医療協議会(中医協)が今年実施する医療経済実態調査(医療実調)で、薬局が算定する「調剤基本料」の区分ごとの損益状況を新たに調べることが決まった。医療実調の結果は2018年度診療報酬改定に向けた議論の基礎資料となるが、同基本料の区分はいわゆる門前薬局か否かなどで決まるため、そうした薬局の報酬水準をさらに下げる根拠を探す狙いがあると見ることもできる。新設された調査項目と、門前薬局が算定する同基本料2や同基本料3の届け出状況を併せて紹介する。【佐藤貴彦】
医療実調は、無作為抽出した病院や薬局などを対象に、経営実態を2事業年にわたって調べるもので、診療報酬改定の前年に行われる。今年実施する調査のスケジュールや調査票は、今月11日の中医協総会で了承された。調査対象の薬局には、5月末に調査票が配布され、その集計結果は11月ごろ公表される見通しだ。
今年の調査の特徴としては、記入漏れが起こりにくい電子調査票の利用を原則とすることや、回答した施設の経営状況を分かりやすくフィードバックする仕組みを導入することなどが挙げられる。どちらも、有効回答率を高めるための取り組みで、そのほかに調査項目を絞って回答者の手間を省くことも決まっている。
そんな中で、新設される調査項目もある。薬局が算定する「調剤基本料等の状況」や「立地状況」などだ。これまでの医療実調では、回答した全薬局の損益状況のほか、同一法人の店舗数別の損益状況などが公表されてきたが、調査項目の新設により、「調剤基本料等別の損益状況」や「立地別の損益状況」も明らかになる。
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