【日本医業経営コンサルタント協会福井県支部 支部長 杉原博司】
■経過措置の終了~それは次なる試練へのステップ
2016年度診療報酬改定における7対1入院基本料の経過措置期間が終了して、2カ月が経過しました。今この時を余裕の表情で迎えた病院さん、とりあえずほっとしている病院さん、背筋に冷たいものを感じている病院さん…と、心情はそれぞれ異なるかと想像します。
看護必要度の評価監査や医事会計、電子カルテ情報からの再評価など、涙ぐましい努力を行って1-2%アップしたという話も聞きますが、それらの対策に一時的な効果はあったとしても、最終的には新基準を満たす患者をどれだけ確保できるかに尽きます。
しかも、平均在院日数が短縮している中で、新規入院患者数の増加は見込めず、厳しい状況が続くと考えられます。延べ入院患者の4人に1人が新基準を満たしていなければならないのですから、分母を減らすか分子を増やすかの選択になります。しかし、後者の条件、つまり新基準を満たす患者数の増加は、医療行為に劇的な変化がない限り、実現が難しい問題です。ということは 分母の調整、つまり看護必要度の新基準を満たせない一般病棟の延べ入院患者数を少なくする しかありません。
かといって、そうした患者を単に他院へ転院させれば収入が大きく減少します。そうなると、自院の7対1病床をその他病棟(地域包括ケア病棟または回復期リハビリテーション病棟)に転換するということになりますが、7対1病床の転換は、医師や看護師の反対もいまだ根強いところであります。
■病床再編は最終局面へ待ったなし!
コンサルタントとして相談を受ける病院さんのうち、地域包括ケア病棟をスピーディーに導入できた病院の多くは、経営陣がトップダウン的に導入を進めています。一方、導入の必要性は感じつつも、まだ検討中という病院さんの場合、 「院長や医師が地域包括ケア病棟の導入を拒んでいるケース」 が多いようです。
次回配信は1月11日5:00を予定しています
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