【上田薬剤師会薬局部委員・イイジマ薬局管理薬剤師 八柳秀夫】
2016年度の調剤報酬改定で「かかりつけ薬剤師指導料」が新設され、いわゆる「門前薬局」の調剤基本料が引き下げられた。これは、門前薬局よりも「かかりつけ薬局」が評価された結果であり、現状の薬局・薬剤師に対する国民の不満が反映された形とも言える。
「かかりつけ薬剤師・薬局」が評価されるはるか昔、長野県上田市と小県(ちいさがた)郡から成る「上田小県地域」では、1970年代から地域密着型の薬局群が形成され、「かかりつけ薬剤師・薬局」が既に住民たちに浸透している。
現在、上田薬剤師会会員薬局の平均備蓄医薬品数は約1800品目(全国平均約990品目)で、一般用医薬品および衛生用品や介護用品等を含めた平均取扱品目数も200品目(全国平均約50品目)を超える。
特筆すべきは、集中率(1つの医療機関からの処方せん受取率)である。全国平均約75%に対して、上田薬剤師会では約35 %である。また、集中率が90%超の調剤薬局が全国的には約40 %に上るものの、上田ではわずか1.2%である。このような地域薬局群は、他に類を見ない。
注:全国平均のデータは、平成27年度老人保健健康増進等事業「地域包括ケアシステムにおける薬局・薬剤師による薬学的管理の向上及び効率化のための調査研究事業」(みずほ情報総研)
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