【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
1.2014年度における評価の経緯
2014年度診療報酬改定では、ICUの上位加算(特定集中治療室管理料1・2)が新設され、1日当たり点数が従来よりも約4000点引き上げられた。=表1=が当該加算に関する施設基準であり、「5年以上の経験を有する医師が2人以上」や「臨床工学技士の常時体制」の整備など、一見すると厳しい基準と映る。
ICU届け出施設が増加する中で、より高機能なICUに患者を集約化しようという趣旨であり、看護師配置が手厚いだけで、重症患者が入室せず診療密度が薄い〝なんちゃってICU“を見直す契機になるのであれば、この報酬設定は高く評価できる。
医療機関はICU上位加算を前向きにとらえ、届け出るための体制を整備すべきだが、届け出病院の増加は医療費の増大に直結する。もちろん、質が高いICUに対して手厚い報酬を用意することが望ましいのは言うまでもない。
本稿では、ICU上位加算の実態に迫り、医療政策におけるあり方、そして医療機関の対応策に言及する。
次回配信は11月14日5:00を予定しています
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