2025年に向けて病床再編が行われる中、それぞれの医療機関は地域でどんな機能を担い、どんな戦略を描くのかが問われている。今後の針路を決めたり、経営効率を高めたりする上では各種データに基づいた分析が欠かせないが、それらデータを「有効な情報」としてアウトプットできる人材の活用は進んでいるだろうか。日本診療情報管理学会の末永裕之理事長は、このほど行われた学術大会(10月12-14日、東京都内)で“情報の専門職”、診療情報管理士の役割について講演した。【烏美紀子】
14年度診療報酬改定で「診療録管理体制加算」が新設されたことを追い風に、診 療情報管理士の資格取得者は年々増えており、今年4月現在、3万人を超えている。
しかし、末永理事長は、「診療情報管理士が何をしている人なのか、その役割が院内の他職種から十分に理解されていないのではないか」と現状を指摘。今後は人数の拡大だけでなく、「質的拡大」を目指さなくてはならないとして、そのためには、「医療の質、経営の質の向上に役立つ『質の良い情報』を出すこと。それが、院内における診療情報管理士への評価につながっていく」と、診療情報管理士に期待される役割の一つである「情報の活用」にもっと力を入れるべきだとの考えを示した。
■「情報」で他部署を支援する
では、診療情報管理士は院内でどんな活躍ができるのか。
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