【一般財団法人とうほう地域総合研究所 研究員 和田賢一】
前回の分析では、医師と患者では、医療サービスについて重視する項目やその度合いが異なることを明らかにした。
今回は、患者満足度調査の実態について考察する。満足度調査は、医師と患者の医療サービスに対する認識の違いを是正する手段となり得るため、重要と言える。福島市内の病院と診療所へのアンケート調査を通じ、患者満足度調査が、医師の医療サービスに対する認識に対し、どの程度影響を及ぼしているのかを分析した。
1.実施状況
患者満足度調査の実施状況は、調査対象10病院のうち、5病院が実施、残りの5病院は実施していなかった。一般診療所では、調査対象33診療所のうち、12診療所(36.4%)が実施し、21診療所(63.6%)は実施していなかった=グラフ1=。
調査を実施する医療機関の調査項目をみると、病院では、5病院すべてで「看護師の言葉遣い・態度」、「事務員の言葉遣い・態度」、「待ち時間や開業時間の長さ」の3項目を調査していた。ただ、「支払金額の適正度」を調査項目とする病院はなかった=グラフ2=。一般診療所では、全12診療所のうち、11診療所(91.7%)が「医師の説明のわかりやすさ」や「医師の言葉遣い・態度」など、接遇面を中心とした5項目を調査していた。
グラフ1 患者満足度調査の実施状況
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