【一般社団法人広島市西区医師会 医療法人裕心会落久保外科循環器内科クリニック院長 落久保裕之】
広島市の西部に位置する西区(人口約19万人)は、現在、高齢化率21.7%だが、今後急激に高齢化が進展すると予想される。西区には、地域医療支援病院、災害拠点病院および公的病院はなく、全12病院が200床以下(精神科病院は除く)の民間中小病院で、地域医療(在宅医療を含む)を支えている。そのため、肺炎や脱水などの一次から二次救急レベルの疾患でも、隣接する区の総合病院に入院していた。一方で、西区内には、在宅医療を行う「かかりつけ医」が多い。在宅医療に特化した在宅専門診療所が2カ所、在宅療養支援診療所は37カ所(外来ミックス型を含む)あり、人口10万人当たりの配置数は19.4カ所と、全国平均(10.1カ所)に比べて充実している。また、すべて医師会員であるのも特徴だ。
医療機関の機能分化や地域包括ケアシステムの構築が求められる中、西区医師会では、在宅患者のうち、比較的軽症な患者の入院は、ある程度地域完結でカバーする必要があり、そのことは地域のニーズの一つと考えていた。そこで、2014年度の広島県在宅医療推進拠点整備事業に応募し、在宅患者の受け入れシステムを中心とした「西区医師会在宅あんしん6事業」=表=を開始した。
次回配信は11月4日5:00を予定しています
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