【ネットワーク・情報セキュリティーコンサルタント 小椋正道】
今回は視点を変えて、患者さん側の目線で院内のネットワーク環境を考えます。
外来、入院を問わず、来院される患者さんにとって「院内でインターネットが使える環境」は、大変重要になってきています。外来患者さんは待ち時間を有効に活用できますし、入院患者さんにとっては、病院の外との連絡ツールや情報入手手段として使われるほか、テレビと並ぶ娯楽的側面も持ち合わせています。
■患者用ネット環境、超えるべき4つのハードル
1つは「経済的ハードル」です。
仮に、患者サービスとして院内どこでも使えるWi-Fi環境を整備するとなると、病院の規模にもよりますが、ネットワーク敷設コストや機器コストだけでも、かなりの金額になる可能性が高いです。さらに、設計コストや回線コストが上乗せされてきますので要注意です。
2つ目は「心理的ハードル」です。
この場合の「心理」とは、主に利用者サイドの「心理」です。最近は、携帯電話の技術の進歩により、医療機器等に与える影響がかなり小さくなりました。例えば、至近距離でスマートフォンや携帯電話を使用しても、ペースメーカーへの影響はありません。しかし、一昔前の認識のままでいる人が携帯電話を使っている人に注意してトラブルになるという事例は、いまだ見聞きすることがあります。Wi-FiやPHSも含めて、こうした情報を正しく伝えることと同時に、節度ある利用をアナウンスすることも病院側に求められるでしょう。
■患者同士のトラブルにも要注意!
3つ目には「技術的ハードル」があります。
次回配信は11月8日5:00を予定しています
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