【ネットワーク・情報セキュリティーコンサルタント 小椋正道】
この数年でモバイル端末が急速に普及しました。医療の現場でも、使いやすさやコストの点からタブレットPCやスマートフォン、iPod touchのような小型デバイスの利用が増加しています。既に職場に導入され、利用されているという方も少なくないと思います。
線(LANケーブル)や大きさ、重さに縛られないモバイル端末は、ノートパソコンでは実現できなかった「機動力」が発揮でき、患者さんへのきめ細かいサービス提供や効率化など、院内外で新たな可能性を生み出しています。
今回は、そんなモバイル端末や無線LANを安全に活用するための注意点について、近年の情報漏えい事件の例も参考にしながら説明していきます。
■情報漏えいのきっかけに! パソコンからの充電はNG
これは意外と見落としている方が多いのですが、「スマートフォンやタブレットの充電目的で、パソコンのUSB端子につなぐのはダメ」です。
「いや、単に充電するだけだし、そのくらい問題ないのでは?」と思った方、ちょっと待ってください。スマートフォンやタブレットをケーブルでパソコンに接続する-。これは、「両者間で通信が可能な状態になること」を意味するのです。
2年前に起きたベネッセの個人情報流出事件では、スマートフォンの充電が犯行のきっかけになったと指摘されています。私物スマートフォンを充電しようと、重要な顧客データが入っているサーバーに接続したところ、データ通信できることに気付き、個人情報をごっそりコピーして流出させました。
次回配信は10月11日5:00を予定しています
(残り2847字 / 全3721字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】