【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2016年度診療報酬改定では、7対1入院基本料を絞り込むために「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の項目見直しや基準の引き上げが行われた。今年9月末までが経過措置期間だが、実態に応じた評価を行うためのさまざまな取り組みが、各医療機関で行われてきたことだろう。
看護必要度には新たにC項目が設けられ、適切なデータ提出を行うための工夫は欠かせなくなる。今後、看護必要度のデータ提出が必須となるため、矛盾のあるデータを提出すれば診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」のヒアリングの対象となったり、ペナルティーが課される可能性もある。手間が増えたのは事実だが、適切な対応をしていく必要がある。
1つ目は、入院初期の患者は看護必要度が全般的に高いということ。初期を過ぎて基準を満たさなくなった患者は退院もしくは転院させたり、急性期以外の病棟に転棟させればよい。看護必要度は「入院患者の○%以上」といった割合で見るので、分母に当たる入院延べ患者数が減少すれば、基準を満たす可能性が高くなる。そして、在院日数の短縮は、病棟の看護必要度を高い状態で維持するためにも、功を奏することだろう。
次回配信は8月22日5:00の予定です
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