フィナンシャルプランナー(FP)の内藤真弓さん(FP&コミュニティ・カフェ代表)は、相談者から「どのくらいお金があれば老後は安心ですか」と尋ねられることが多い。ただ、老後のお金は、現役時代からの日々の生活すべてが関係してくる。また、若い時期ほど支出や収入が不確実な時期なので、柔軟に“お金の健康”を考えたいという。
また、ケアマネジャーなどは、利用者が在宅で暮らし続けるためにも、必要な蓄えがあるのか気がかりだろう。ただ、利用者に十分な貯蓄がない場合でも、地域のサービスや家族とつながりながら、何とか暮らしていく方法も見つけられるはずという。【大戸豊】
シミュレーションで必要な貯蓄額をつかむ
■足元の行動を変え、少し先を想像してみる
内藤さんの相談者は職業や収入、資産もそれぞれだが、現役世代に働いて収入を得て、リタイヤ後の収入は年金のみというのは、ほぼ共通している。
現役世代はお金を使う機会が多い。一方で、リタイヤ後の準備も含め、お金を増やす必要がある。当然だが、リタイヤ後に取り崩す資産の「山」は、できるだけ高い方がいい=図=。
図 ライフステージとお金
内藤真弓氏の資料を基に作成
内藤さんは、この「山」は、日々の暮らしのすべてとかかわっており、足元の行動を変えることで、貯蓄額なども10年後や20年後に大きな差が生まれると話す。そして、5年後、10年後、20年後を想像しつつ、今から何を準備すればよいのか考えておきたいという。
「少し先を見たり、お金の流れを把握しておくことで、親の介護が始まったり、がん治療を受けることになっても、備えがある分、踏みとどまれる可能性が高まります」
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