【東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科 瀬戸僚馬】
2016年度の診療報酬改定では、診療情報提供書や処方せんの電子化など、長年の課題が前に進みました。政府の「世界最先端IT国家創造宣言 工程表」でも「医療情報連携ネットワークの全国展開」は着実に進んでいると評価されており、病院業務においてもこうしたシステムを用いる場面は確実に増えていくでしょう。
このような医療情報連携ネットワークを支える技術基盤の一つに、保健医療福祉分野公開鍵基盤(HPKI: Healthcare Public Key Infrastructure)があります。これは、例えば診療情報提供書などの医療文書に間違いなく医師が作成したという電子署名を施すことができる技術です。施設間で患者情報をやりとりするためのネットワークが広がっていけば、こうした技術も次々と開発されていくことでしょう。
2回にわたる本連載では、基本的なようで、かつ、抜けがちな情報セキュリティー対策について、ご紹介していきます。
次回配信は8月18日5:00を予定しています
(残り2161字 / 全2735字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】