【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
千葉大学医学部附属病院では、2015年度から入院期間Ⅱ以内の退院患者割合を70%以上にすることを目標に掲げ、目覚ましい成果をあげている=グラフ1=。在院日数が短縮され、結果として入院診療単価の向上にもつながった=グラフ2・3=。ただ、達成率は診療科によってバラつきがある。この差は、その診療科が在院日数の短縮に前向きに取り組んでいるかだけでなく、診療領域によって、診断群分類の設定に有利不利が生じていることも影響しているのだろう。
診断群分類が患者の重症度などを十分反映できていないことは周知の事実であり、重症度係数やCCPマトリックスなどさまざまな取り組みを通じて、実態を反映するための試行錯誤が繰り返されている。とはいえ、皆が納得し、かつ実務的に簡便なルールをつくることは困難である。結果として、機能評価係数Ⅱが複雑化するなど、迷走している感が否めない。
本稿では、DPC/PDPSをよりシンプルな制度設計とするためのあり方を整理し、提案する
グラフ1 千葉大学医学部附属病院入院期間Ⅱ以内の退院患者割合 (クリックで拡大)
次回配信は8月8日12:00を予定しています
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