【医療法人社団操仁会岡山第一病院 事務部医事課係長 虫明昌一
医療法人社団藤田病院 医療ソーシャルワーカー 高橋和志】
「多職種連携」-。
厚生労働省の資料でも、医療系の専門誌でも、頻繁に見掛ける言葉で、医療界の流行語とも言えます。そんな多職種連携の時代ですが、医療ソーシャルワーカー(MSW)などの「連携実務者」と、診療情報管理士(HIM)などの「医療情報実務者」が連携しているシーンは、果たしてどれだけあるでしょうか。
MSWは、実際に現場で患者や家族から生の情報を聞くことができ、地域の医療機関・施設の情報もたくさん持ち合わせています。しかし、現場での日常業務の合間を縫って、データを分析・管理する時間を取るのは難しいものです。また、データ作成や管理、客観的な分析には専門的な知識が必要ですが、MSWの多くはシステムや医療情報について勉強する機会があまりありません。
一方、診療情報管理士(HIM)は、院内のさまざまなデータを持ち、分析能力にも長けています。ですが、多くの場合、診療情報管理室にこもってパソコンの画面と対峙する時間が長く、現場に出ることがあまりないため、「データから何を分析すれば、現場に還元できるか」というニーズの把握が実際の現場とずれてしまうこともあります。また、他院との差や地域の実情なども知る機会が少ないのではないでしょうか。
■もしもMSWとHIMが連携したら
このように両者はそれぞれに違った持ち場で業務を行い、それぞれに持っている情報も違います。もしも、この両者が連携・協力し合える体制ができれば-?
次回配信は8月9日5:00を予定しています
(残り1409字 / 全2107字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】