【千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授 井上貴裕】
2016年度診療報酬改定でICUにおける「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)が厳格化された。7対1入院基本料の基準変更よりも厳しく、特に循環器内科を中心にCCU(Coronary Care Unit)のような形態で利用してきた病院にとって致命的である。
背景には、特定集中治療室管理料を届け出る病院の増加があり、医療費抑制の観点から高単価の治療室にメスが入ったのだろう=グラフ1=。
厚生労働省保険局医療課調べ
■手術室でAラインを抜かずにICUに移る患者が増加する
今回改定では主に2つの変更が加えられた。
1つ目が、改定前の「A項目3点かつB項目3点」の基準が、「A項目4点かつB項目3点」に改められたことだ。心電図モニター、輸液ポンプの管理、シリンジポンプの管理の3項目だけを満たすICU入室患者は多いが、国はこれらの患者はハイケアユニットあるいは一般病棟で管理できるという考えで、この3点セットだけではICUの入室基準を満たせなくなった=図=。
図 特定集中治療室管理料 重症度、医療・看護必要度の評価票の見直し(クリックで拡大)
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